カナダ人作家ルーシー・モード・モンゴメリ(L.M.モンゴメリ)によって書かれた小説「赤毛のアン」。
知らない人はいないのではないか、と思うくらい世界中で広く愛され読み継がれているベストセラー作品です。
やせっぽちで赤毛、そばかすが特徴的な孤児の少女アンが独身の老兄妹に引き取られ、時折事件を起こしながらも、周囲に愛されて成長していく物語となっています。
また、近年に至るまで、世界や日本において多くの映画や舞台、アニメなどのメディアミックス展開も行われているほど。
そんな赤毛のアンですが、なぜ人気なのか?
赤毛のアンみたいな本、似てる本はあるのか?
作者L.M.モンゴメリの他の本はどんなものがあるのか?
この記事では以上のことについて調査し解説、紹介していきます。
赤毛のアンみたいな本が欲しい!なぜ人気?
小説発表から116年経った現在でも、世界中で愛されている赤毛のアン。
名作として長く愛されている、人気の理由はどんなところなのでしょうか?
詳しく解説していきます。
個性的で魅力あるキャラクター
高畑勲の『赤毛のアン』には私たちが今問題にしている"女の子と社会"というテーマがつまっていた。女の子の容姿をからかう男の子、それをいなすことを女子にだけ強要する社会、それに怒りを見せるアンを彼は魅力的な女の子として40年も前に描いてくれたのだ。本当にありがとう。冥福をお祈りします。 pic.twitter.com/OWj4iFiQcV
— パプリカ (@papurika_dreams) April 5, 2018
赤毛のアンが人気である理由の一つに、個性的で魅力あるアンのキャラクターがあげられます。
両親と死別し、天涯孤独の孤児だったアン。
生まれてすぐ不幸な境遇に置かれてしまいましたが、元気いっぱいで明るくておしゃべり、ロマンティックな空想が大好きで、時折盛大に失敗をやらかしてしまう。
そんな個性的なアンが巻き起こす騒動や日常、そして成長していくアンの物語は現在でも多くの人を惹きつけ、愛され読み継がれています。
美しい風景と当時の暮らしの描写
プリンス・エドワード島は、カナダの東海岸(トロント、モントリオール側)セントローレンス湾に浮かぶ島でカナダの州の1つ。この島は作家ルーシー・モード・モンゴメリーの故郷で「赤毛のアン」の舞台。自然豊かな景観に想いを馳せながら、昔と変わらず残る物語に登場する場所や風景を楽しむ。 pic.twitter.com/U7qHOYboon
— Minnie(ミニー)Fashion🌐com (@minniethx) February 24, 2022
赤毛のアンの物語の舞台となっているのが、カナダ東部にあるプリンス・エドワード島です。
この島は作者のL.M.モンゴメリの出身地でもあります。
セントローレンス湾に浮かぶこの島は、風景がとても美しいことで有名で、赤毛のアンの物語の中でもその美しさがしっかり描写されています。
また、当時の暮らし・衣服・料理などの描写も細かくあり、本のページをめくるだけでも旅行しているような気分を味わえます。
赤毛のアンで描かれた異国情緒ある生活や風景に憧れて実際のプリンス・エドワード島へ訪れる人も多くいるそうです。
赤毛のアンみたいな本はある?
赤毛のアンには、魅力的な描写があふれんばかりに作品内にちりばめられています。
そんな赤毛のアンが好きな方のために、赤毛のアンみたいな本、似てる本があるか調べてみました。
数多くあるいろんな物語の中から、3つ選んでご紹介します。
赤毛のアンみたいな本①あしながおじさん
あしながおじさん #読了
— 雨 (@ottuyg) July 14, 2021
ジュディが天真爛漫で可愛いくて笑ってしまうんだけど、だんだん大人になってきて、恋して、最後は「🙃」
元気いっぱいジュディ大好き!
私も何かある度にお手紙書きたくなった(好きな人に限る)。。。
#読書垢 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #読書記録 pic.twitter.com/zbPAajOHJr
1912年に出版された小説「あしながおじさん」は、アメリカの作家女性ジーン・ウェブスターによって書かれました。
孤児院出身の少女ジュディが大学進学のために資金援助をしてくれる人物に手紙を書く、という物語です。
ジュディというキャラクターの生き生きとした魅力や、当時の大学生の生活の様子が描かれています。
ほぼ全編を通してジュディの手紙のみで構成されており、文学作品としても高い評価を得た作品です。
赤毛のアンみたいな本②秘密の花園
『秘密の花園』
— 星空浴 (@3zu1Oe6R8HE50zR) January 18, 2020
体の弱かった子供たちが、庭園の手入れをするうちに、心も体も強く元気になっていくお話です。
私自身も強くなれるんだと思わせてくれる本です。
庭にお花を植えたくなりました。
そしてお花を植えました!#読書好きな人と繋がりたい #読了 pic.twitter.com/riPNFSJKsL
フランシス・ホジソン・バーネット著「秘密の花園」は、1911年に発表された小説です。
両親から放任され孤独に育った少女メアリー。
コレラで両親が急逝し、メアリーは伯父の家に引き取られますが、ある日閉鎖された庭園をみつけ…という物語となっています。
この小説では、花園を中心として様々な人と関わりながら、孤独な少女だったメアリーが成長していきます。
秘密の花園のモデルとなった庭園は、作者バーネットが住んでいた邸宅にあった荒廃した古い庭で、バーネットもメアリーと同じく庭の修復を行い、そこで過ごしながら数々の小説を執筆したのだそうです。
赤毛のアンみたいな本③少女パレアナ
エレナ・ポーターの『少女パレアナ』を読了。一般には『ポリアンナ』で知られてる作品ですね。訳者の村岡花子さんが手掛けているということで手に取りましたが、さすがにいい作品でした。主人公の周囲の人の劇的に変わっていく姿がとても面白いです。 pic.twitter.com/Ih9nRUeYss
— とよきち (@yoshidatoyokiti) April 3, 2018
「少女パレアナ(少女ポリアンナ)」はアメリカの小説家エレナ・ホグマン・ポーターによる小説で、1913年に発表されました。
両親と死別し孤児となり、気難しい叔母に引き取られた少女パレアナが、どんな苦境であっても父親の遺言である「よかった探し」をして笑顔を絶やさず、そんなパレアナによって叔母を始めとした周りも次第に変わっていく、という物語です。
原作小説は少女パレアナですが、日本でアニメ化された時は「愛少女ポリアンナ物語」というタイトルで放映されました。
また、心理学用語に「パレアナ効果(ポリアンナ効果)」というものがありますが、これは少女パレアナにちなんだ名称です。
赤毛のアン本家作者・L.M. モンゴメリの他の本は?
名作「赤毛のアン」を執筆したL.M.モンゴメリは赤毛のアン以外にも多くの作品を残しています。
彼女の他の作品にはどのようなものがあるのでしょうか?
3つ選んでご紹介します。
アンの青春
アンの青春 松本侑子訳 #読了
— ぱん。📕のベルズ (@cccc2024) September 28, 2020
アンって凄い大人だな…
大人になったり少女に戻ったり。
「人は、自分を必要としてくれる人を、最も深く愛するのよ。」
この言葉にすごく納得!
「朝ごとに、新しく始まり、朝ごとに、世界は新しく生まれる」この一節が凄く好き。心に残しておきたい。#のベルズ #読書 pic.twitter.com/vkkEtxLogu
赤毛のアンの続編となる小説が「アンの青春」です。
赤毛のアンではアンは11~16歳でしたが、アンの青春では16~18歳となり、いろいろな経験を経て、アンが大学に進学するまでの物語が描かれています。
アンを主人公とした作品群は、
- 赤毛のアン
- アンの青春
- アンの愛情
- アンの幸福
- アンの夢の家
- 炉辺荘のアン
- 虹の谷のアン
- アンの娘リラ
- アンの想い出の日々
までの9作品があり、これらを総じてアン・ブックスやアン・シリーズと呼ばれています。
(村岡花子訳を基としているため、他の翻訳者ではタイトルや作品数が異なります)
丘の家のジェーン
モンゴメリ「丘の家のジェーン」読了。
— 桐ヶ谷忍📖読書 (@kiligaya_sinobu) December 13, 2019
大金持ちだが暴君な祖母、明るく美しいが祖母に逆らえない母、内気でオドオドしているジェーン。
ある日、顔も名前も知らない父から夏休みにジェーンを自分の元へ寄越すようにと手紙が来る…。
赤毛のアンにも匹敵する一冊。暗い子供が別人のように!面白い! pic.twitter.com/6w1hFJPG2G
「丘の家のジェーン」は、1937年に発表された小説です。
父は死んだと聞かされていた少女ジェーンが、手紙で父が生きていることを知り、夏の間プリンス・エドワード島にて父と過ごします。
島の美しい自然・人々との触れ合い・父の愛情に囲まれて、丘の上の家でのびのびと成長していく物語です。
この小説でも、プリンス・エドワード島が舞台となっていて、その美しい風景の描写に心を揺さぶられます。
銀の森のパット
モンゴメリ『銀の森のパット』『パットお嬢さん』
— うゆ (@uyuuyuns) July 9, 2018
丘を登らずにはいられないエミリーに対して"谷間"にいることを愛するパット。
しかし"谷間"にも春は訪れ、聚雨が見舞い、避けられない別れもある。
つまりそこにもすべてがあるってこと。
ジュディの造形はモンゴメリの偉業!#私の100冊エターナル pic.twitter.com/nrgDca3cVQ
銀の森屋敷に住む7歳の少女パットが主人公の小説が「銀の森のパット」です。
銀の森屋敷と呼ぶ古く美しい家に住み、その家と家族をひたむきに愛するパット。
家族や家への変化を嫌う彼女ですが、新しい出会いや時には身を引き裂かれるような別れを通じて成長していきます。
この小説もまた、物語の舞台としてプリンス・エドワード島が描かれ、「パットの夢」という続編も発表されています。
赤毛のアンみたいな本はある?似てる本3選!まとめ
まとめとして、この記事では
- 赤毛のアンの人気の理由として、アンの魅力的なキャラクターと風景や暮らしの描写の美しさがあった
- 赤毛のアンみたいな本、似てる本3選「あしながおじさん」「秘密の花園」「少女パレアナ」
- 赤毛のアンの作者L.M.モンゴメリの他の作品「アンの青春」「丘の家のジェーン」「銀の森のパット」
以上についてを解説、ご紹介してきました。
日本と違う文化での生活や美しい自然の風景の描写にあふれる赤毛のアン。
物語の描写から想像し、その世界へ想いを馳せることが出来るのも読書の楽しいところのひとつです。
本を開いて、アンの世界へと旅をしてみるのも良いかもしれませんね。