「アルジャーノンに花束を」はダニエル・キイスによるSF小説です。
知的障がいを持つ主人公のチャーリィ・ゴードン。
実験動物であるねずみのアルジャーノンに続く形で、チャーリィは臨床試験として知能向上手術を受けます。
チャーリィは手術によって天才となりますが、それによって様々な苦悩を知ることとなり、また先に手術を受けたアルジャーノンの身には異変が起こりはじめ…といったあらすじの作品です。
1959年に中編小説として発表されましたが、1966年に長編小説に改変され発表された本作は世界的ベストセラーの名作となりました。
この記事では、
- アルジャーノンに花束をみたいな本がほしい!なぜ人気?
- アルジャーノンに花束をみたいな本、似てる本3選
- アルジャーノンに花束をの作者ダニエル・キイスの他の本3選
について解説、ご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
アルジャーノンに花束をみたいな本が欲しい!なぜ人気?
「アルジャーノンに花束を」は刊行されてから半世紀以上経ちますが、2023年の文庫本ランキングに入るなど現在も多くの人に読まれている作品です。
アルジャーノンに花束をみたいな本が欲しい!と思う方も多くいると思います。
アルジャーノンに花束をはなぜ人気なのか?
その理由について調査しましたので、詳しく解説します。
苦悩への共感と感動
アルジャーノンに花束を #読了 #読書記録
— 葵@読書垢 (@AoiNight0890) December 22, 2021
知能指数68の白痴が賢くなる手術を受ける。そこで周囲の人が一緒に喜びを分かち合っていたのではなく、自分を馬鹿にされていたことを知り、彼の見ている世界は大きく変化を遂げる。人間としての愛情のない知能指数など価値がない。
何度読んでも感動する本。 pic.twitter.com/2iDcHKEoj6
知的障害を持つ主人公チャーリィ・ゴードンには、常に苦悩が付きまとっています。
孤独より逃れたい気持ちから、チャーリィは知能向上の手術を受け、劇的に知能があがっていきます。
しかしながら、友だちと思っていた同僚から侮辱されていたこと、母親からの虐待の過去、そして手術は不完全で遠からずこの知能が急激に退化するであろうことなど、知能が向上したゆえに自分がおかれている環境を理解してしまい、より孤独に苛まれることになりました。
それでも最後まで知能を失いたくない、自分らしく生きたいとあがき続けるチャーリィ。
チャーリィの激動の8か月間は、多くの苦しみや悲しみを感じさせるものでしたが、たとえ傷ついても己の人生に向き合って最後まで考え続けます。
そんなチャーリィに自分を重ねて共感したり、感動で心を打たれる読者が多いため、今も愛され読まれ続ける作品となっています。
様々なメディアで題材となる
前にテレビで「アルジャーノンに花束を」の舞台が放送された時、役者さんの演技が見事で、演劇が好きになって、そのあといくつか舞台に足を運んだり放送観たりしてたんだけど、仕事に忙殺されてて、それを好きだったことを忘れてた。
— 栄のつぶやき (@a8stock) February 14, 2024
やっぱりいいよね、舞台って。
来月楽しみ。国王、ありがとう😊
アルジャーノンに花束をが広く知られることになったひとつに、様々なメディアで題材となったことがあげられます。
アメリカ、カナダ、フランスなどでは映画化され、日本においてはTVドラマ、ラジオドラマ、舞台の題材として取り上げられました。
特に日本では舞台化が多く、2023年も「アルジャーノンに花束を」を題材とした舞台が上演されています。
また、氷室京介やヨルシカなどのアーティストが「アルジャーノンに花束を」に感銘を受けて楽曲を作って発表し、それもこの作品が広く知られるきっかけのひとつとなっているようです。
アルジャーノンに花束をみたいな本はある?
「アルジャーノンに花束を」を読んで感動し、似たような本を読みたい!と探している人を見かけることがあります。
そんな人のために、アルジャーノンに花束をみたいな本、似てる本を調査しました。
数多くある作品の中から3つ選んでご紹介します。
アルジャーノンに花束をみたいな本①フラニーとズーイ
『フラニーとズーイ』 J.D. #サリンジャー 読了。
— Reiko (@ReiReiko_o) July 5, 2019
正直なかなか答えをくれないズーイの会話に辟易してしまったけど、最後の数ページの勢いはすごかった。
フラニーの演劇を通じ理想と現実について悟すズーイの言葉は、『月と六ペンス』での私の感想に通じるものがあってグッときた。#読書記録 pic.twitter.com/PN9jDQEAcl
「フラニーとズーイ」は、J・D・サリンジャーによって書かれた「フラニー」「ズーイ」の二つの連作小説をまとめた本です。
自分の理想と現実社会の板挟みとなって苦悩し、宗教書により所を見つけてすがる美しい妹フラニーと、そんな妹をユーモアある会話で救う兄ズーイを中心とした家族愛の物語となっています。
思春期に誰もが経験する理想と現実への折り合いのつけ方、自分自身にどう向き合うのかについて考えさせられる作品です。
作者のJ・D・サリンジャーは「ライ麦畑でつかまえて」という小説でも知られています。
アルジャーノンに花束をみたいな本②あなたの人生の物語
テッド チャン著「あなたの人生の物語」にある短編「七十二文字」ですかね
— Yosi (@3129gu3) March 31, 2024
急速な人口減少が進む中、名辞と呼ばれるプロトコルを泥人形に組込む事でゴーレム産業を発展させたある架空の世界
繊細の名辞が世界を変える!
生命を司る真辞と名辞に隠された鍵が未来に遺すのは果たして?
技術革新の善と悪 https://t.co/tsAoqeLNaX pic.twitter.com/eqIkTbKcOx
テッド・チャン著「あなたの人生の物語」はSF短編、中編小説の8篇で構成されています。
その中に収録されている「理解」という短編は、ホルモン治療により天才的な頭脳や感覚器官を獲得した主人公。
取り巻く環境の変化やもうひとりの超人との出会いなどを経て、主人公の苦悩や行く末を描いた作品です。
この本の表題作である「あなたの人生の物語」はメッセージというタイトルで2016年に映画化されました。
アルジャーノンに花束をみたいな本③怪笑小説
今日は東野圭吾氏の『怪笑小説』を読み進めている( ͡° ͜ʖ ͡°) pic.twitter.com/csu1Lwxv3I
— 山村善教 (@yama15quinze) December 25, 2016
「怪笑小説(かいしょうしょうせつ)」は東野圭吾による短編小説集です。
この怪笑小説内に収録されている「あるジーサンに線香を」は、主人公の老人が先生から持ち掛けられた実験により若返りに成功、若さを楽しみますがそれも長くは続かず…という物語です。
タイトルからわかるように、「アルジャーノンに花束を」のパロディとなっています。
アルジャーノンに花束をの作者ダニエル・キイスの他の本は?
「アルジャーノンに花束を」の著者ダニエル・キイスの本は他にどのようなものがあるのでしょうか?
ダニエル・キイスが「アルジャーノンに花束を」以外に発表している本の中から、3つ選んでご紹介します。
五番目のサリー
ただいま全国書店にてダニエル・キイス『五番目のサリー 上・下』(小尾芙佐=訳)が、今月21日から始まる舞台をお知らせする帯をつけて好評発売中です! 主役サリーを演じる彩吹真央さんの素敵な写真が! 舞台を機に、ぜひともキイスの傑作に触れてみませんか? pic.twitter.com/96nMSEGpqO
— 早川書房営業部 (@hykw_sales) October 15, 2021
「五番目のサリー」は記憶がない空白の時間に悩み、それゆえに仕事も結婚もうまくいかないサリー。
実は、耐えられないことがあると別の人格に変わってしまうことが判明し、精神科医の下で人格の統合を試み「本当の自分」になろうとする…という、多重人格を題材とした物語です。
サリーの持つ、他の人格ひとりひとりがとても個性的に描かれています。
24人のビリー・ミリガン
本日のおすすめはダニエル・キイスさんの『24人のビリー・ミリガン〔新版〕』です! 装丁は『ハーフ・バッド』を担当された早川書房デザイン室さん! 装画はイラストレーターの嶽まいこさんです! http://t.co/rEEmeR4bfq pic.twitter.com/C7hlLnnX8Y
— Bird Graphics (@birdgraphics) May 19, 2015
アメリカのオハイオ州にて連続強姦魔として逮捕されたビリー・ミリガン。
しかし彼には犯行の記憶がなく、事件はビリーの別人格によって引き起こされたこと、ビリーの中には24人もの人格がいることが判明します。
小説家ダニエル・キイスが、ノンフィクションとして「24人のビリー・ミリガン」を発表した当時、世間では多重人格についてほとんど知られていませんでした。
この作品が翻訳・発売され、日本では空前の多重人格ブームを引き起こすきっかけとなった作品です。
預言
……用心して、レイヴン。これまではいつも催眠術をかける理由を説明してくれたわ。まだ眠っちゃだめ……
— ノンマルトの末裔@読書 (@YU91542199) January 21, 2023
もう遅い。彼女はすでに庭にいて、芝生に横たわっていた。父の声が静寂に響き渡る。「おまえは ジェイソン・テデスクの預言を忘れる。……」
「預言」ダニエル・キイス#読了 #読書垢 pic.twitter.com/PcrXqw2rDJ
「預言」は、解離性人格障害を患う女性レイヴンが、偶然にもテロリストの預言めいた暗号文を知ってしまい、様々な組織から狙われることになってしまいます。
巻き込まれ振り回され殺されかけながらも、もうひとつの人格と協力して組織に立ち向かっていくレイヴン。
ハリウッドのようなスピード感のある展開にぐっと引き込まれます。
預言は、ダニエル・キイス生前最後の長編作品となりました。
アルジャーノンに花束をみたいな本はある?似てる本3選!まとめ
この記事では、まとめとして
- アルジャーノンに花束をみたいな本はなぜ人気か、その理由として「苦悩への共感と感動」「様々なメディアで題材となる」
- アルジャーノンに花束をみたいな本、似てる本3選「フラニーとズーイ」「あなたの人生の物語」「怪笑小説」
- アルジャーノンに花束をの著者ダニエル・キイスの他の本3選「五番目のサリー」「24人のビリー・ミリガン」「預言」
についてご紹介しました。
切なくも感動し、自分について考えさせられる「アルジャーノンに花束を」。
この作品をはじめとした読書を通じて、自分や人生を見つめなおしてみるひとときの時間も良いものですね。