星の王子さまは、知らない人はいないのではないか、というくらい有名な本ですね。
読んだことがない人でも、そのタイトルは聞いたことがあると思います。
作者はフランス人の小説家、そして飛行家でもあるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。
残念ながら、この星の王子さまはテグジュペリの生前最後の作品となりました。
しかし、星の王子さまは1943年にアメリカでの初版以来、作者の没後も200ヵ国以上で出版・翻訳され、現在に至るまで皆に広く読まれ愛され続けている作品です。
星の王子さまはなぜ人気なのか?
星の王子さまみたいな、似てる本はあるのか?
また、サン=テグジュペリの他の本はどのようなものなのか?
ご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
星の王子様みたいな本が欲しい!なぜ人気?
今でも多くの人に長く愛され、読まれ続けている「星の王子さま」。
なぜ、どのようなところが人気なのでしょうか?
星の王子さまの人気についてご紹介します。
星の王子さまの純粋さ
星の王子さまが人気の理由として、そのひとつに登場人物である星の王子さまの純粋さがあげられます。
星を渡り歩いてきた際に出会った人々や、キツネとの出会いから、自分にとって大切なものとはどんなものかを知ります。
それを主人公の「ぼく」に話してくれることで、ぼくを通じて読者に「大切なもの」を伝えてくれるのです。
大人になってもう一度星の王子さまを読み返してみると、子供の時にはよくわからなかった星の王子さまの純粋さを、より感じることが出来るのではないでしょうか。
作者による温かく少し寂しいストーリーと挿絵
星の王子さまという作品には大切なものや愛することとは何か、子供の心を忘れてしまった大人に向けてのメッセージがたくさん込められています。
お話の最後で王子さまは消えてしまい、少し寂しさを感じる結末となっています。
また、星の王子さまの初版以来、作者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ本人による挿絵が使用されています。
素朴で温かみのある挿絵と、温かくも寂しく感じるストーリー。
その世界観が、現在まで長く愛されている理由のひとつのようですね。
星の王子様みたいな本はある?
不思議で、温かくて、どこか少し寂しさを感じる星の王子さま。
そんな星の王子さまみたいな本は他にあるのか?
数多くある本の中から、3つ選んでご紹介します。
星の王子様みたいな本①ミヒャエル・エンデ:『モモ』
ミヒャエル・エンデ『モモ』読了。10歳頃、初めて読んだ作品。32歳の今、響き方がまた全然違う。当時は分からなかった時間への理解、つい灰色の男たちに時間を盗まれたかのような生き方をしていた苦い経験にも心当たりがあり、より響いた。ベッポのシーンで涙。涙腺がゆるい🥹https://t.co/7gdBpvnKy4
— (@Aya_jpn_ichigo) February 9, 2024
「話を聞いてもらうと心が軽くなる」という不思議な力を持つモモが主人公の、ミヒャエル・エンデ作の『モモ』。
そんなモモの住む町に時間泥棒がやってきます。
モモは町の人たちの奪われた時間を取り戻すことが出来るのか?
時間がテーマとなっているわくわくするファンタジー作品です。
仕事で忙しく日々を過ごすだけの大人にこそ、ぜひ読んでほしい本です。
ミヒャエル・エンデは映画ネバーエンディングストーリーの元ネタとなった「はてしない物語」を書いたことでも有名な作家です。
星の王子様みたいな本②ケイト・ディカミロ:『愛を見つけたうさぎ』
ケイト・ディカミロの本はいいぞ
— ビッチなカラ松@映画松非童貞 (@Karamatsu_Bitch) January 6, 2018
児童書だけど、俺は本の推薦は絶対このひとのしかかかなかった
ネズミの騎士デスペローの物語
愛を見つけたうさぎ
この辺だいすきだ
ケイト・ディカミロが書いた『愛を見つけたうさぎ』は、誰も愛していない陶器で出来た人形のうさぎのエドワードが主人公です。
いろんな出会いと別れを経て、愛を知り成長していくお話です。
こちらも愛という壮大なテーマがあり、児童書ではありますが、大人が読んでも心を動かされ感動できる作品となっています。
星の王子様みたいな本③宮沢賢治:『銀河鉄道の夜』
#読了
— こーたろ。 (@Koootaro_1031) February 9, 2024
『新編 銀河鉄道の夜』/宮沢賢治
貧しく孤独な少年ジョバンニは、親友のカムパネルラと一緒に銀河鉄道に乗って、美しく哀しい夜空の旅をする。(表題作)
全14編。
有名すぎて簡単なあらすじは知ってたけれど、読んだのは初めて😊
こんなに素敵な物語だったのか✨️
他の収録作も良かったです! pic.twitter.com/XXs4lnRBUN
『銀河鉄道の夜』は友人カムパネルラと共に、孤独な少年ジョバンニが銀河鉄道に乗り旅をする物語です。
宮沢賢治の代表作となっています。
一緒に旅をするジョバンニとカムパネルラですが、最後にはカムパネルラは消えてしまいます。
本当の幸せを求めながらも、生と死で対比される二人。
銀河鉄道の夜も大人・子供の世代は関係なく、広く愛され読まれ続けています。
本当の幸せとは何か?がテーマとなっており、大人になってから読むと、また違った観点に気づけるかもしれません。
星の王子様作者・アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの他の本は?
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは、飛行家としての経験を素材として落とし込み、
小説を書いています。
星の王子さまは彼が生前に執筆・出版した最後の作品であり、彼の作品で最も世界中で愛され読まれている作品です。
では、彼の他の作品にはどのようなものがあるのでしょうか?
星の王子さま以外のサン=テグジュペリの作品をご紹介します。
夜間飛行
夜間飛行/サン=テグジュペリ
— sousou (@sou_sou55) April 25, 2021
『星の王子様』が傑作だって?とんでもない、他の作品も半端ないレベルだ。勇気ある操縦士サン=テグジュペリによる、残酷で美しい夜と昼の世界の描写が生々しすぎる。『夜間飛行』と共に収録された『南方郵便機』も最高だった。#読了 pic.twitter.com/ggF2BefzmW
郵便輸送のために、夜間飛行を行う飛行士とその雇い主である支配人。
彼らを中心に、命の尊厳と勇敢さを題材に書かれた小説が「夜間飛行」です。
サン=テグジュペリ本人に郵便輸送のための飛行路開拓の経験があるため、作中の通信機や会話等、リアルな描写が高い評価を受けています。
人間の土地
『人間の土地』#読了
— ノーシュン@読書好き (@nonoblog0919) February 26, 2023
『星の王子様』が良かったから手に取ってみたが、想像以上に難解。
サン=テグジュペリ自身の飛行経験から綴られる文章は、どれも過酷だが力強い。
加えて解説が宮崎駿。人類と飛行機の変遷が明快。読書中に宮崎駿の語りが聞こえてくるようで、これだけでも一読の価値アリ。 pic.twitter.com/7j45cocGN8
「人間の土地」は、サン=テグジュペリの飛行士としての15年間の経験から書かれたエッセイ集です。
僚友たちとの思い出や、人間の本質、人間らしい生き方とは何かが綴られています。
また、このエッセイ集の中の「砂漠のまん中で」という章では、リビア砂漠で遭難したときの経験が語られています。
星の王子さまでは主人公の「ぼく」が砂漠で遭難するところから始まりますが、この作者の実体験が元ネタのようです。
戦う操縦士
『戦う操縦士』
— このこねこ@年間500冊の読書家 (@konekoneko5) November 30, 2020
⭐⭐⭐⭐
『星の王子様』のサン=テグジュペリが、第二次世界大戦時、敵地に偵察飛行を行った経験をもとに描いた小説。
「人はなにかの名のもとにおいてしか兄弟たりえない」
「なにか」はかつては神であり国であった。
より上の次元に人類は到達しなければならないと思いました。 pic.twitter.com/GauzijduFb
第二次世界大戦下で出版された、飛行士としての実体験を元にした小説が「戦う操縦士」です。
主人公の飛行士に命じられた、危険で無意味な偵察飛行を通じて、ヒューマニズムや哲学を深く描いている作品です。
また、この作品がヒトラーの著書「我が闘争」に対する民主主義側からの回答である、と言われ高く評価されました。
出版されたのが戦時下であったため、発禁処分となった作品でもあります。
星の王子様みたいな本はある?似てる本3選!まとめ
- 星の王子さまの人気について
- 星の王子さまみたいな、似てる本を3選
- 作者サン=テグジュペリの他の本
についてここまでご紹介してきました。
たくさんの絵本や小説などが日々発行されるなかで、星の王子さまや似てる本としてあげた作品は長く広く愛され続けています。
子供でも大人でも関係なく、読めば心をうつメッセージがある。
名作を読み、その主人公の成長と一緒に、自分の心の成長を見つめてみるのも良いかもしれませんね。